先日、無事に感染症専門医試験に合格し、感染症専門医を取得しました。試験に向けて自分が実際に取り組んだ勉強内容や使った教材をまとめておきます。参考になれば幸いです。
なお、規約違反になるため、実際の試験問題の内容や傾向については一切触れられません。
そのため、「どんな教材で、どのように勉強したか」に限定して記載しています。
教材リスト
- 感染症学会のホームページにある過去問
- 感染症学会の指定テキスト
- 内科専門医・総合内科専門医の出るズバ(ケアネットTV)
- 医師国家試験の感染症分野
- 医師国家試験の公衆衛生分野
- 臨床検査技師国家試験の過去問
- 産婦人科専門医試験の過去問
- 小児感染症指導医試験の例題
- 日本化学療法学会の確認問題
- MKSAP(Infectious Diseases分野)
感染症学会のホームページにある過去問
これは誰もが勉強する過去問だと思います。問題数が少ないので、これだけでは全然足りません。しかもなんだか年々公開している過去問が少なくなっているように思います。もちろん勉強するのですが、これだけではなく、学会の公開している過去問をもとに傾向や勉強すべきトピックを考えていくことをお勧めします。
日本感染症学会 感染症専門医試験問題
https://www.kansensho.or.jp/modules/senmoni/index.php?content_id=54
感染症学会の指定テキスト
感染症専門医テキスト 第I部 解説編(改訂第2版)
Amazonリンク:https://amzn.to/3ZauDXV
多くの受験者が利用している標準教材です。ただ、内容は10年以上前からあまり更新されておらず、実臨床に合わない記載も散見されます(例:第三世代セフェム内服薬の推奨など)。しかも値段がめちゃくちゃ高いです(20000円とかします)。
臨床症状や診断に関する記述は有用ですが、治療に関する部分は最新知見で補完するのが望ましいです。全体としては良くまとまっており、第3版の発行が待たれます。
内科専門医・総合内科専門医の出るズバ(ケアネット)


ケアネットTVに加入すれば視聴できます。感染症分野だけピンポイントで視聴すれば十分だと思います。1コマ1時間程度で、1.5倍速などで見ればすぐに消化できます。
デメリットは月額費用がかかること(見放題だと月約5,000円)でしょうか。
(なお、ケアネットの株を保有すると無料で視聴できるようになるという話もありますが、筆者は未体験です。)

(2025/9/16追記)
今年いっぱいで株主優待もなくなるかもしれないようです。残念…。
https://carenet.co.jp/ir/stock/
内科専門医テキストの感染症分野
Amazonなどで市販されているテキストです。張ったリンク以外にもいろんな本が出版されています。感染症学会発行ではありませんが、内容が重なる部分も多く、勉強には有用です。一部に疑問の残る設問もありますが、全体としては有用でした。
THE内科専門医問題集Ver.2 3 WEB版付 アレルギー・膠原病・感染症・救急・集中治療
Amazonリンク:https://amzn.to/434r6LP
医師国家試験の感染症分野
医療美術部(https://medical-illustration.club/)などのサイトを利用し、感染症分野だけを抽出して解きました。過去10年分ほどを目安に、500題ほどを「答えありき」で読むようにして進めれば、1日で一通り確認できます。自信がないテーマ(例:SFTSなど)が出てきたら、そこで追加学習する形にしました。
医師国家試験の公衆衛生分野
公衆衛生も感染症関連の内容に限定して取り組みました。あまり古い年度の問題は実情と異なることもあるため、直近のクエバンで勉強した方がいいです。こちらに関してはインターネット上だとピックアップしようにも難しいし、感染症に関係ない公衆衛生分野が紛れ込んでしまうので、実物を買って勉強しました。(せっかく内科専門医のときに契約したクエバンオンラインが見れなくなっていて残念でした。)
クエスチョン・バンク 医師国家試験問題解説 2023-24 vol.6 公衆衛生
https://amzn.to/3RTDzwY
臨床検査技師国家試験の過去問
臨床検査技師国家試験解説集 Complete+MT 2025 Vol.6 臨床微生物学
https://amzn.to/4jJduN8
これは感染症専門医対策に限らず、非常に良かったです。医師としては臨床は分かっていても、培地や細菌検査など基礎的な検査知識があやふやなことが多いです。感染症に関わる以上、こうした知識も必要だと実感しました。
産婦人科専門医試験の過去問
筆者は内科医なので、産婦人科や小児科の内容は苦手になります。ただ勉強しようにも問題形式でないと理解が薄いうえに、国家試験の問題だけだと内容が薄く感じます。そこで、各専門医試験の過去問・例題を活用しました。
産婦人科は過去問がインターネットで販売されています。STIや妊娠梅毒の項目は非常に勉強になりました。1年あたり1,000円程度と安価なので、複数年分購入するのがおすすめです。 記事執筆時に見たら1500円になってました!!1000円だったような気がするのですが…どちらにせよ非常に安いです。過去問を公開してくれるなんてなんてありがたいのでしょう。

2023年度 専門医筆記試験過去問題・解説集
https://store.kalib.jp/shopdetail/000000000252
小児科感染症指導医試験
小児科は過去問の販売がないです。小児科学会の会員だと例題がネットでみれるみたいですが、そのためだけにわざわざ入会するほどは気が起きませんでしたので、小児感染症指導医の例題で代用しました。(なぜかこの試験例題だけgoogle検索でヒットします)
こんな感じに「●●学会専門医試験過去問」 的な感じで、感染症分野だけ抽出すると問題数を増やせるかもしれません。費用の問題があると思いますが…。
日本小児科学会 第18回(2025年度)小児科専門医試験〔旧制度〕関係
https://www.jpeds.or.jp/modules/specialist/index.php?content_id=42
日本小児感染症学会小児感染症指導医(専門医)試験例題
https://www.jspid.jp/wp-content/uploads/2023/07/reidai.pdf

そういえば内科専門医と同じように他の学会でも同様の専門医対策本があるんですよね。それの中の感染症学分野だけ解くのもありかもしれませんでした。
日本化学療法学会の確認問題
日本化学療法学会でも少数ですが過去問をWebで公開しています。これも問題として解きました。同じような学会の試験問題の例題や過去問はいっぱいあるのかもしれません。
日本化学療法学会 抗菌薬適正使用生涯教育セミナー 確認試験問題 過去の記録
https://www.chemotherapy.or.jp/modules/seminar/index.php?content_id=8
MKSAPのInfectious Disease分野


総合診療では定番の教材で、米国内科学会(ACP)発行のテキスト+問題集です。解説が丁寧でエビデンスも明記されており、非常に勉強になります。ただし価格が高く、セット購入で10万円以上(高すぎ!!)。筆者は総合内科医でもあるので購入しましたが、コストパフォーマンスとしては悩ましいところです。
また、米国と日本では疫学が大きく異なるため、ZoonosisやDimorphic fungiなどは日本の臨床に直結しない部分もあります。実際に、日本ではまず見ることのない感染症(コクシジオイデスなど)が頻発します。州によって鑑別が違うとかも書いてあって、知る由もない内容です。
一方で、感染症以外の一般内科(呼吸器・循環器など)にも対応しているので、内科全体を学びたい方には価値があります。
まとめ
筆者はこのように、過去問や例題をとにかく解き、理解が浅い部分はその都度補完する形で勉強を進めました。
勉強方法は人それぞれですが、少しでも参考になれば幸いです。
自分はこんな勉強したよ!ということがあれば、コメントに書いていただけると嬉しいです。
おすすめ関連記事:
医師に必要な仕事術・時間管理術:
~忙しい研修医・レジデントが“ラクになる”時間管理術とは? ~
https://giminfection.com/2025/05/30/time-management-for-residents/
学会や勉強会の効率的なスライド作りの仕方:
~スライド作りをスムーズかつ効率的に作ろう!プレゼン資料の作り方~
https://giminfection.com/2025/06/05/how-to-create-medical-slide-presentation/
感染症研修・内科研修・レジデント向けにおすすめの本やアプリ:
~感染症研修に必須!買ってよかった本ランキング~
https://giminfection.com/2025/05/04/resident-books-infectious-diseases/
買ってよかった本たちまとめ:
※医学に全然関係ない本もあります
https://giminfection.com/category/book-introduction/

