ここ最近、医学以外の本を読むことが増えてきたので、その中から一冊紹介します。
今回紹介するのは『もういちど、本屋へようこそ』(田口 幹人 2018年刊)です。本屋にまつわる短編集(という表現が正しいのか分かりませんが)で、全国のさまざまな書店の店員や店長たちが書いた一冊です。たまたま立ち寄った本屋でふと目に入り、「これは良さそうだ」と思い、手に取りました。読んでみて、良いなと思いました。こんな感じによかった本を紹介したいと思ったので、ブログに書いてみます。
読書時間の減少の話
本を読む時間は今どんどん減ってきています。自分もここ半年くらいでようやく読むようになっただけで、それまでは理系人間で、読むのはもっぱら医学書です。正直それ以外に興味なんてありませんでした。
家の中でも、トイレでも、通勤の電車でも、いつもスマホでネットの記事ばかりです。記事ならまだしも、TwitterやInstagramで気がついたら時間が溶けてることもザラです。YouTubeのショート動画やTikTokも、(自分はそこまで好きじゃないんですが、)まわりを見ていると見てる人は多いようです。電車でふと周囲を見渡しても、みんなスマホを見てます。本を読んでる人なんて、ほんとに見かけなくなりました。
こういった読書離れですが、言葉自体は1970年ぐらい(!)からすでにあったようですが、この10年程度は顕著です。
ショート動画の影響と集中力
ブログのテーマ的に全く医学に関係ないのも何かなぁと思いますので、ちょっと話が逸れますが、ショート動画とドパミン報酬系の話に移ります。ショート動画がドパミン報酬系を過剰に刺激してるんじゃないか?と気になって、PubMedで調べてみました。
Intense Short-Video-Based Social Media Use reduces the P300 Event-Related Potential Component in a Visual Oddball Experiment: A Sign for Reduced Attention
Walla P, Zheng Y. Life (Basel). 2024 Feb 22;14(3):290. doi: 10.3390/life14030290. PMID: 38541616; PMCID: PMC10971362.
被験者n=29の小さな研究ではありますが、ショート動画のヘビーユーザーとレギュラーユーザーを比較して、注意力に関連する活動電位が低くなるという結果が出ていたようです。刺激を見せた後の脳の活動電位の320msecあたりの反応時間の電位の差を根拠にしていました。Limitationとしては活動電位の差が集中力に直結すると言い切れるのかという問題や、nが少ないこと、negative control(ショート動画を見ない人)を組み込んでいないことでしょうか。畑が違うので何とも批判的吟味ができません。
でも自分にも思い当たる節はあります。Twitterを閉じたのにまた無意識に開き、閉じてもまた開く。たぶんドパミン報酬系が絡んでるのだろうなぁと思うところです。
だからこそ「本」に戻る
そういう環境に身を置いていたからこそ、最近、本を読むことがとても貴重に感じられるようになってきました。本を読んでいる最中はSNSを見る気にも起きないですし、Apple Watchの振動すらうるさいと思うくらい、没頭できます。それは別に、読むのが医学書でなくてもいいと思っていて、ビジネス書でも、小説でも、ぜんぜん関係ない分野でも構わないでしょう。
『もういちど、本屋へようこそ』は、そんな読書文化が失われつつある今だからこそ読みたい一冊です。本屋の閉店が続く中で、自分たちがどうすればいいかと模索する本屋の店員さんどころか、それ以外の取次やレビューサイトなどの運営者等も記事を書いています。医学とはまったく関係ない内容ですが、自分にとってはとても響きます。いつか医師や病院もそうやって数が少なくなっていくのだろうか、とも思いながら…。
これからも、たまにこんな感じで、心に引っかかった本をゆるく紹介していきたいと思います。

Amazonであれば中古でも購入できます。発刊がだいぶ前なので新刊は厳しいんじゃないかなぁ、と。
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