BMC infectious diseaseを眺めていたらマラリアについての症例報告が上がられていたのでブログでも紹介しつつ、マラリアの流行分布についても記事中で触れます。発熱患者で渡航歴を聞くのは常識ではありますが、直近の渡航内容ばかり眼が行ってしまって、それよりも前の渡航歴まで言及して聞かないとなぁと再認識しました。
Srirama S, Sihag KK, Chandrasekaran AK, Latha NP, Arif W, Kumar BS, Devaraju P. Acute undifferentiated febrile illness in a traveler returning from Burkina Faso, West Africa to Puducherry, India- a case report. BMC Infect Dis. 2025 Jul 11;25(1):912. doi: 10.1186/s12879-025-10869-8. PMID: 40646441; PMCID: PMC12255074.
オープンアクセスの記事なので内容はリンクから終えますが、内容的には「インドの国内旅行者だと思ってたけど、調べてみたらマラリアで、西アフリカへ滞在していたことが後に発覚した」という内容です。総合診療科・感染症科的にはよくある話題ではありますが、やはり世界中で問題になっているんですね。マラリアの潜伏期間は1-4週間と幅も広い上に長いので、直近の旅行地だけでなくそれ以前もclosed questionで聴取する必要があります。
マラリア疑いなら、Malaria Atlas Projectを見るべし
渡航感染症に関わる医療者なら、厚生労働省のFORTHは有名でしょう。CDCのtravers healthや、Fit for travelなども同じような情報サイトですので、FORTHで不十分なときにはそちらも見ておくことをおすすめします(英語ですがページ翻訳を使えば簡単です)。
が、Malaria Atlas Projectのサイトを知っている人はどれぐらいいるでしょうか。
管理人は初めて知ったときに衝撃を受けました。是非、一度訪れてみるといいサイトだと思います。
Malaria Atlas Project:https://malariaatlas.org
入り方がややわかりづらく、5年ぐらい前に多分レイアウトが一部変わった?のか、久々にログインしようとすると迷子になってしましまいます。

この右上のDATAを押して、

左上のMapsを押すと見れます

こんな形で色付けされていてびっくりです。どうやってデータを集めているのでしょう。
(→ChatGPT曰く、「文献データ、衛星画像、保健統計、現地調査結果など多様な情報源を統合し、空間統計モデルを用いてマラリアの地理的分布を推定しています。」とのことですが、真偽不詳です。)

描出まで多少時間がかかるのが難点ですが、拡大していくと、各地域の中でもどれぐらい差があるのかがわかります。都市の近くだと少なくて、農村部や山林になるほど多かったり。視覚的・ビジュアル的に理解できます。
(自分はこのサイトを初めて見た時に、感激しました。すげぇ…。)
ちなみに紹介した論文の場所

ここからの旅行者だと思いきや、

西アフリカのこの部分に1年間過ごしていたようです。
まるで発生率が違いますね。
(とはいってもインドでも発生がないわけじゃないので、最初に疑ってもよかったのでは?とも思いますが…。)
まとめ
インバウンドが今後も増えていく中で、今後もどんどん渡航者の発熱が増えてくると思われます。その際には、
- 直前だけではなく、それ以前の渡航歴も含めて入念に聴取する
- 渡航先で流行している疾患を知りたければ、
日本語であれば厚生労働省のFORTH
情報が足りなければ、CDCのtravers healthや、Fit for travel - マラリアを疑った時には、Malaria Atlas Projectで視覚的に情報を得る
を思い出していただけたら幸いです。

渡航感染症に関しては国立国際医療研究センターのDCCの先生方が記載したグローバル感染症マニュアルが非常におススメです。初学者でもわかりやすいないようになっているので、是非一読してみてください。
Amazonリンク:https://amzn.to/4oUtuOA
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