コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(CNS)の一員である Staphylococcus lugdunensis(S. lugdunensis)は、CNSであるにもかかわらずS. aureusと同等に扱うべき菌種として知られており、CNSの中でも特異な存在です。接着因子やバイオフィルム形成等から黄色ブドウ球菌(S. aureus)に近い侵襲性を示し、感染性心内膜炎、骨関節感染、皮膚軟部組織感染などを引き起こします。したがってコンタミとして対応することは避けることが望ましいです。
一方で薬剤感受性検査では良好な感受性を示すことが多いとされていますが、実際にどれぐらいの株がメチシリン感性なのかどうか過去の文献を調べました。
MR S. lugdunensisの頻度と地域差
2019年のスウェーデンからの報告によれば、S. lugdunensis株569のうちMR株は0.4%程度にとどまっています。同論文中でも0-8.3%程度と報告されており、メチシリン耐性は少ない様子です。
ただし、地域差があるかもしれません。例えば2017年の北海道からの報告では46.4%(!)とも報告されています。小児例ではありますが、2019年の東京都の報告では62%(!)とも報告されています。
小児の Staphylococcus lugdunensis による市中感染症と院内感染症の臨床像と細菌学的検討
桜井博毅,堀越裕歩 小児感染免疫, Vol. 31, No. 1, 21, 2019
なんだか自分の持っている感覚とはだいぶ違うような印象があります。(MR lugdunensisなんてほとんど見たことがないのですが…)
日本国外のデータだけをみれば何らかの理由で抗MRSA薬が使えないときでも経過を見れそうなのですが、北海道や東京の報告を見てしまうとそうとは言えなそうです。
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