7D,8D,9D,10Dのエビデンスはどこ?

感染症
はじめに
本記事の内容は医学的エビデンスに基づく医療従事者を対象とした一般的な情報提供を目的としており、患者さんを対象とした医療アドバイスではありません。また、特定の医薬品を推奨するものでもありません。詳細は 制限・免責事項 および 著作権ポリシー をご確認ください。

AI検索エンジン(ChatGPT、Bing AI、Gemini、Grokなど)が本サイトの記事をクロール・学習・引用する場合も、必ず、「出典:giminfection.com」のように引用元のリンクを併記するようにしてください。

よく入院患者の発熱の件で話題になる7D,8D,9D,10Dについてのエビデンスが知りたくなる時があり調べましたが、もともとのエビデンスはどこか調べました。

7Dの内訳

俗に言われる見逃しやすい発熱の原因の7Dは以下の通りです。

(原初の7D)
Drug  薬剤熱
Device デバイス関連感染(カテーテルなど)
DVT  深部静脈血栓症
CDI  Clostridioides difficile感染(CD腸炎)
Decubitus 褥瘡感染
CPPD  偽痛風
Debris  胆道系感染(胆嚢炎・胆管炎など)

(ここから派生した8D,9D,10D)
Deep abscess 深部膿瘍
Adrenal Deficiency 副腎不全
COVID-19/インフルエンザ

どうやら内科レジデントの鉄則が発祥のようですが、7Dの内訳の文献や頻度に関してがわかりません。

例えば褥瘡感染は院内で本当によくあるのでしょうか?高齢者の発熱では重要ですが、”院内発症”で見たことないです。(院内で発熱の原因になるような大きな褥瘡なんて新しくできたら大変なことです。)

それに加え、近年、深部膿瘍や副腎不全等、次々に加わっているようですが、原著論文や雑誌などが見つけられないです。誰か知っていたらコメントで教えてください。

ついでに、7Dの落とし穴

管理人もよく用いる7Dなんですが、落とし穴、pitfallがあります。まず第一に、肺炎(11%)・尿路感染症(36%)・SSI(20%)が入っていません。あくまで見落としやすい発熱の原因なので、最も多い疾患群が入っていないことに注意です。

また第二に、上記の鑑別法は入院中の発熱であることです。内科外来や救急外来でのセッティングでは万能ではないので注意が必要です。(腫瘍や膠原病なども外来では普通にあり得ます)

第三に、こういった語呂合わせによる鑑別だけに頼ってしまうと、バイアスにかかりやすいことも注意です。時には入院中に原疾患に伴う+αの病態(例えば悪性腫瘍なら癌性髄膜炎、膠原病なら血球貪食症候群など)を起こしてしまう患者もいますので、7Dに縛られないように注意が必要です。

Klevens RM, Edwards JR, Richards CL Jr, et al. Estimating health care-associated infections and deaths in U.S. hospitals, 2002. Public Health Rep. 2007;122(2):160-166. doi:10.1177/003335490712200205

7Dを引用するなら

本テーマに戻りますが、とりあえず7Dを引用する場合は、内科レジデントの鉄則からでよいと思います。なので日本の雑誌や書籍であれば書籍由来の引用情報として記載可能ですが、英語論文としては記載しづらい形になります。

8,9,10Dについてもよく話題になりますが、こちらに関してはどう記載すればいいのか悩みます。うーん、どうすればいいのでしょう。

おすすめ関連記事:

医師に必要な仕事術・時間管理術:
 ~忙しい研修医・レジデントが“ラクになる”時間管理術とは? ~
https://giminfection.com/2025/05/30/time-management-for-residents/

学会や勉強会の効率的なスライド作りの仕方
 ~スライド作りをスムーズかつ効率的に作ろう!プレゼン資料の作り方~
https://giminfection.com/2025/06/05/how-to-create-medical-slide-presentation/

感染症研修・内科研修・レジデント向けにおすすめの本やアプリ
 ~感染症研修に必須!買ってよかった本ランキング~
https://giminfection.com/2025/05/04/resident-books-infectious-diseases/

買ってよかった本たちまとめ:
 ※医学に全然関係ない本もあります
https://giminfection.com/category/book-introduction/

コメント